ジャズピアノはプロ級の腕前、レコードと読書をこよなく愛するはにかみ屋の若手精神科医?安和隆。自分の居場所を探し続ける青年時代を送ってきたが、明るい妻?終子と出会い、同じ在日としての悩みを共にできたことでようやく心穏やかな日々を送る。第一子が誕生した直後、阪神?淡路大震災が起きる。精神科医としてできることは何か模索の日々が始まる。和隆は被災者に寄り添い話を聞き続ける中で、精神科医にできることは、被災者を治療することではなく、治癒力を回復させる手助けをすることだと気づいていく。その後、精神科医として見た被災地の様子を一冊の本にまとめ、学芸賞を受賞。明るい兆しが見えはじめた、39歳のある日、がんが発覚する。